まるでこの夜空は俺の色の様で、
まるでこの夜空は俺自身の様で、
まるであの散らばっている星屑たちはお前の様で。



















「神田さん!空、真っ暗ですねー」

「そうだな」




俺は今日、と任務に行っていた。
もちろんすぐに任務は片付いて、今は帰り道。
だが教団を出発したのが正午過ぎだったせいか、今は見てのとおりの夜。
は俺の隣で両手を背で組んで、夜空を眺めていた。




「星、綺麗ですね」

「そうだな」

「この夜空の色、神田さんの髪の色と一緒ですねー」

「・・・・・は?」




はこの夜空の色と俺の髪の色が似ていると言って、にっこりと笑っていた。
何が嬉しいのかは俺には解らない。




「神田さん自身がこの夜空みたい」

「・・・・・・・・?」

「やっぱり自分では解らないですか?」

「・・ああ」




俺はワケが解らなくなって溜息をもらしながら、ああ、と言った。
は笑顔を崩さずに話を続けていった。




「神田さんってとても広い人だと思います。
いつも冷たく突き放してるけど、本当はとっても優しいんですよね」

「俺は・・・・俺は優しくなんてない」

「いいえ。とっても優しいです。そして夜空も見方によっては優しく見えるんですよ。
私の思い込みかもしれないけど、寂しい時や心細い時に夜空を見ると、なぐさめてくれてるように見えるんです」

「・・・・・・・・」




はさっきとはまた違った笑顔でそう言った。
そしては俺の手をとって、こう言った。




「神田さんも、私が寂しい時になぐさめてくれますよね」

「それはー・・・・・」

「めそめそしてるから鬱陶しいだけだ、でしょ?」

「・・・・・・」




そのまま俺の両手を握りながらはくすくすと笑っていた。
俺は困った。本当に困った。今言われたことが的中してたからだ。




「だからあの夜空は神田さんですよ」

「勝手に言っとけ、馬鹿」

「ふふっ・・・。神田さんらしいですね」




俺がこの夜空ならば、お前はきっとこの星屑たちだろうな、と俺は思った。
いつも俺の前で笑ってくれるのはお前だけだから。









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2006/8/02

本日2作目。そして神田。
神田を書くと台詞がどうしても少なくなってしまいます;

憐陽もる
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